介護施設における看護師の役割

【介護をもっと楽に楽しく】ケアナースあんともです。

今回は介護施設における看護師の役割についての私見を書きたいと思います。

私の考える介護施設における看護師の役割は「介護職が介護をしやすい環境やチャレンジできる環境をつくる」ということだと思っています。

私自身は介護施設におけるイニシアチブは基本的に介護職にあるべきだと思っています。

これはもちろん医療的な判断より介護職の判断が上回るといった意味ではありません。

しかしながら、利用者の生活や性格をより知っているのはやはり介護職だと思います。介護施設は利用者の生活と尊厳を守る場なので利用者をよりよく知る介護職が本人や家族の意向を踏まえてその利用者をどのようにしていきたいかという想いを元にケアを行っていくべきだと思っています。

そんな中での看護師の役割は介護職の想いをカタチにできるかを考えて医療的判断を提供することだと思っています。同じようなことを言いますが大前提として介護職の想いは本人と家族の想いも包括しているからです。

ただ、現状を見る限りは多くの施設ではそれが成されてないことが多いように感じています。

介護職に対する看護師の指示は絶対であるという双方の思い込みもまだまだ根強いようです。

そして、看護師と介護職の一番に守るべきものが違っているということもあります。

命を守るために目先のリスクを最大限避けるべき看護師と長く生活と尊厳を守るべき介護職。

特に現状では病院勤務を経て施設看護師になった人の絶対数が多いので命を守るためにリスクを最大限避けたいという思考の施設看護師が多いことは致し方ない部分もあります。

しかしながら、先ほども書きましたが介護施設は生活と尊厳を守る場です。

リスクの最大限の回避は利用者の生活と尊厳を守ることを阻む要因にもなってしまいます。

介護施設は基本的に死亡、もしくは施設では対応ができない状態に陥ったときのみ退所となるのでそれまでの期間は治療ではなく生活です。一部、治療的な要素もありますがそれはあくまで生活の中での治療という位置づけでしかなく、それを鑑みたときにリスクの最大限の回避は必ずしも最良の選択肢にはなり得ないということです。

例えば看護師の考える「便は出し続けた方が安全」というのはリスクの最大限の回避の一つです。いつか起こるかもしれないイレウスを回避するためにと毎日ラキソベロンを定期処方していたりします。確かにそれは目先のリスクを最大限回避するかもしれません。しかしながらそれは病院でいうところの近い将来での退院というゴールがあればこその思考です。

当然のことですがラキソベロンのような薬剤での排便は生活と尊厳を脅かします。病院で培った思考では生活と尊厳を最大限守ることは難しいのです。その思考を施設看護師として介護施設の本来の役割である生活と尊厳を守るための医療を提供するという思考に変える必要があります。

そのためには看護師と介護職が上下の関係ではなくチームとしての関係構築をしていく必要があります。

看護師は介護職のやりたい介護、先ほどの例であれば「より快適にいい排便をしてもらいたい」ということに対しても医療的リスクを提示したうえでそのリスクの徴候なりを適切に伝えて情報交換していくことが求められます。

もちろん、排便コントロールができるようになり漏れなどが減れば介護職はより介護をしやすい環境になりそれがひいては利用者のよりよい生活と尊厳の保持へとつながります。

今回は一つの例としてあげましたが、今後も介護職の目線で看護師と情報交換したいこと、看護師の目線で介護職の専門性を活かしてもらいたいことなどもお伝えしたいと思います。

ちなみに私自身の職歴としてはより医療的要素が強いであろう介護老人保健施設と介護医療院には勤めたことがないのでその辺りに認識の違いがあればぜひご意見をいただけたらと思います。

最後に、介護施設は病院で働けなくなった看護師の働くことだと言われたりもしているようです。しかしながら、私は施設看護師には施設看護師としての専門性があると考えています。その専門性が確立されたらそのようなことを言われることもなくなると思いますし【介護をもっと楽に楽しく】できると確信しています。

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